いきさつ

先々月だったか。

STAXFREDの客席で

壁に貼られた、かつてのフライヤーなんかを

何気なく眺めていたら

こんなのを見つけた。




2009年の7月だから

ちょうど6年前の夏。

神輿に乗ることを頑なに拒んでいた本人を

僕と中村久景とで説得し

ようやく実現にこぎつけた阪本正義の独演会。

もちろんライブは大成功で終わり

僕と阪本の関係がさらに深くなった出来事。


このフライヤーに

僕の短い言葉が載っていた。


「阪本さんの歌には

研ぎ澄まされた言葉と

美しいメロディと

阪本さんの50年の人生が詰まってる。

つま弾くように奏でるギターの

音と音の隙間に

僕は僕の人生をいつも重ねてしまう。

懐が深くて

あたたかくて

お洒落で

一緒に演奏してたって

僕の身体はいつも潤んでしまう。」



あれから6年の歳月が過ぎ

様々な場所で一緒に演奏し

もう嫌になるくらい,

想いや盃を交わしてきたけど(笑)。


阪本正義の歌への僕の想いは

ほとんど何も変わっていない、

そう思った。


そういえば今年で

阪本さんと出会って10年になる。


きっと僕らの音の重なりにも

樹木の年輪のような何かが

刻まれ始めたか。

いやいや、まだまだこれからだと

あの人やこの人の顔が浮かぶ。(笑)


阪本正義との2マン「八月のピクニック」。

日曜日の夜に

高円寺MOONSTOMPに小舟を浮かべて

のんびりとやります。

是非聞きに来てください。

予約不要、ふらっとお越しくださいね。




♪♪


8月9日、日曜日は

今年2回目の都電ライブ。

その名も「東京どですかでん」。

14時早稲田発、三ノ輪橋行き。

今回は音璃とUをゲストに迎えて

音のなる電車、走ります。

25名限定、乗車券1000円。

美女二人を迎えて、

ますます歌もギターも走りに走る、ジョー長岡。


二人とも麗しいだけじゃなくて

大好きなミュージシャンなの。

きっと素敵な演奏会になります。

「東京どですかでん」は、完全予約制。

こちらで受け付けています。↓

namazu00@i.softbank.jp(ジョー長岡)



音璃

U



♪♪♪






とある「いきさつ」があって

女性から直筆の手紙をいただいた。

女性はまだ幼くて

無垢な存在ではあるが

その筆圧や文字の大きさ、文章は

力強く感じられ、

とても愛しく思った。


僕は手紙の持つ気配、

封筒や便せんや文字から漂う

その人独特の佇まいを愛してます。


手紙を

いつどんな時も

さらっと書き、

さっと切手を貼って

送る人になりたい。





♪♪♪



まあまが旅立って一月になります。

日々の暮らし、先々の予定に追われて

ゆっくり悲しんでる暇がないくらいです。


それでも毎朝、

線香をあげて

お水をやって

仕事の帰りに

花を少し買って骨壷の前に飾るのは

日課となった。


そうやって存在がなくなったことを

自分の身体に認識させているのに

瞬間的に、

亡くなったことを忘れている時がある。


例えば、

風呂に入ると必ず風呂場にやってくるから

扉を少し開けておくのは、決まり事。

風呂に浸かり、しばらくして

ん?今日は来ないのかなって

毎日同じように思い、

ああそうか、となってしまう。



閉店間際のスーパーに行って

急ぎ足でペット用品のコーナーへ。

いつもの缶詰を5〜6個カゴに投げ入れる。

レジを終えて

帰宅して初めて

ああ、やってしまった…は二度経験。



掃除機をかけると

必ず遊びにくるから

掃除しながら待っている。

しばらくしても来ないから

ん?って感じ、毎度のこと。



畳の部屋で

冷房をかけて

ごろんと横になると

冷たい風が当たるところに

同じようにごろんとお腹を上にして横になるまあま。


そうやって川の字になって(一本足らないが)

うたた寝するのが好きだった。

まあまとの時間で一番好きやった。


いつも手を伸ばせば

そこに毛むくじゃらの生き物がいて

優しい眼差しをこちらに向けてくれた。

僕の手のひらに猫球を重ねて

このまま時間が止まったとしても

なんの悔いもない、と思ってた。


何もいない場所に手を伸ばし

冷たい風を受けながら

まあまの残像をつかまえている。

まだその残像は僕の中ではっきりとしていて

消えそうにない。

死んでなお生きているというのは

こういうことかもしれないなと

思ったりしています。



死を想うことは

決して後ろ向きではなく

僕の小さな暮らしの中で

ごく当たり前の日常になりつつある。


宗教のことはよくわからないけど

僕にとっての宗教を

自分なりに構築しているような感覚。


誰に何を言われようと

自分で見つけたい、確かめたい、

命のこと、

今生きているということ。







ライブの会場でお会いしましょう。


ジョー長岡