必死で想像し、静かに実行する

いつもと違うな

と思い、仕事中だったが外に飛び出た。

飛び出てみたものの

ビルの軋む音、

人々の悲鳴、

電柱や高層ビルのしなりを目の当たりにして

ただ、立ち尽くすだけ。

なすすべがなかった。

仕事を終え

夕方、自転車で急いで帰ろうと

大通りに出る。

渋滞の車道に

徒歩で帰宅する人々が溢れてる。

異様な光景に息を呑む。


いつもは30分で着く家路、

倍の時間がかかった。

いろんな光景に出くわしたが

またいつか話せる時がきたら。


一晩明けて

ニュースを眺めながら

尋常ではない東北の被害に絶句。

僕らは、本当になすすべがないのか。


いやあります。

まず。

福島の原発の事故の影響で

電力が不足しているらしい。

停電しては

東京に暮らす僕らも困るが、

一番困るのは

被災地で救出活動をしている場所で

電気が足りなくなること。

それと

恒常的な医療が必要な人に

電気が滞ること。


無駄な電気は使わない。

これは僕らにもできる。


今日の18〜19時あたり、

電気の消費量が一気に上がるそうです。

ならば、

この時間、無駄な電気を使わない、

ご飯の時間を少しずらすくらい

いつもより一枚多く上着を羽織るくらい

僕らにもできる。


それと

本当に必要な時以外は

電話は使わない。


電気、電話回線、

分量に限りのある何かを

本当に必要な人に使ってもらう。


そのことを必死で想像すること。

そして静かに実施すること。



こういう時のNHKの報道姿勢には

とても共感する。

姿勢と言うか

静かなトーンに、安心すらする。


一方で民放は

非常時においては、それぞれで報道しないで

まとまって動いてもらいたい。

ていうか

もう認可取り下げろよ、総務省

煽るだけ煽る、

くだらないスクープ合戦、

同じシーンを繰り返し流し

電気の無駄。

百害あって一理なし。


決して崩れない

暖房の効いたスタジオで

濃い化粧をしたアナウンサーが

恥ずかしげもなく

ヘルメット姿で身をさらしたり

救出の状況を

ヘリに乗ったアナウンサーが

絶叫気味に話していたり

見苦しくて見てられない。


津波に呑まれた街を

上空からレポートし

街が壊滅(かいめつ)しましたーと何度も叫んでた

フジテレビの若いアナウンサー。

「壊滅」という言葉が悪いのではなく

おまえの頭の中が壊滅してるのだよ。

原発に近づこうとしたヘリに

危険ですから

それ以上近付かないでレポートしてください

と言った、フジテレビのアナウンサー。

その原発の炉心間近で

最悪の状況を回避するために

放射能を浴びながら

働いている職員(きっと派遣労働者)がいるのだよ。

頭が悪いのは許すから(俺もそうだから)

まずは、必死で想像して欲しい。

こんなとこで怒っても、しゃあないけど。



報道のやることはいくらでもあるはず。

どれだけひどい被害かを明らかにするのではなく、

(そのことに意味がないなんて、言わないけど)

被災地に居る人に向けて

今晩夜を明かす場所を失ってる人に向けて

きめ細やかな避難所の案内や、炊き出しの案内。

受け入れ可能な医療機関の案内、

交通機関の情報、

安否情報の強化。

自治体や自衛隊の救援情報。


希望を失いつつある人に向けて

何かを発してほしい。


ジョ